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ワインな生活 ~ 飲んだくれの日々September 24 Richard Partridge, Cabernet Sauvignon 2001残暑ぶり返す。
大阪では観測史上最も遅い猛暑日を観測したというニュースが流れる。
先週は、予想外に残業が嵩み、エアコンの切れたオフィスで書類の山と格闘。
エアコンが切れたとたんにパソコン、プリンタ、コピー機の発熱で蒸し風呂状態となる。
仕事の能率も落ちるし、疲労も溜まるし、困ったものだね。
家には寝には帰るだけの生活というのもあまり楽しいものではない。
ついついソムリエナイフに手が伸びる。
今回の抜栓は頂き物のボトル。リチャード・パートリッジのカベルネソーヴィニオン。2001年モノ。
初リリースが98年。市場に出回ったのはそれほど遠い昔ではない。
生産量も1000ケース程度とそもそもレアなボトルではあるが。
ワインメーカーはロバート・エゲルホフさん。
過去にはパルメイヤーやハーランエステイトでワインを造っていただとか。
その筋では有名なお仁である。
抜栓してびっくり。
コルクの裏に剥がれ落ちんばかりの固形物。
ボトルの内側の表面にも、固形物が固着している様相。
「こりゃ、いかんな……」
そのまま飲んでも、抜栓で揺れて舞い上がった固形物が大量に混じることは不可避。
やむなく、「お預け」である。
まる1日安静にしてから、デカンタする。
取り除いた固形物は乾燥すると結晶質が見て取れる。
ということは、酒石酸塩が主成分ということなのだろう。
グラスに注いだワインは、透き通っているけれど、濃いレンガ色。いい感じで熟成が進んでいるよう。
タバコにスパイス、熟れたブラックチェリーの香り。スミレのニュアンス。
華美すぎず、バランスのよい、芳醇な香り。
印象的なのは、しっかりとした酸とミネラル感。
きめ細かなタンニンは存在感があって、骨格を感じさせるのだけれども、粗さはとれており、上品というか、洗練されている感じ。どっぷりとした果実味はなく、引き締まった感じがする。
フレッシュさを残したまま、熟成が進んで、バランス良く落ち着いてきている。
フィニッシュは長め。上品なタンニンの刺激が心地よい。
September 07 Forley, Pinot Noir Santa Maria Hills Vineyard 2000首都圏、台風直撃。
夜になって交通機関は乱れまくり。
台風が過ぎれば、もう秋になってしまうのだろうか。
少し名残惜しい気がしないでもない。まぁ、おいしくお酒が飲めるのであれば、どうでもいいことではあるが(笑
今回抜栓したのは、フォーリーのピノノアール。2000年モノ。
過去にちょっとした苦い思い出のあるボトルである。
半年ほど前、友人宅で持ち寄りでワインパーティーに参加したとき、自分のストックから拠出した数本のボトルの中に、同じものが含まれていたのだけれど。澱というか固形物がボトルの底に溜まっていたことに気づかず、持ち込んで間もなく抜栓。はっきりと濁りが見える状態で提供されてしまった。。。
あ~あ、やってもた!………何とも気まずい、というか、申し訳ない思いをしたことがある。
というわけで、今回はデキャンタしてから頂戴することに。
慎重に、澱の部分を残した上澄みは、少しすえたような褐色を帯びた赤紫色。
グラスの縁でクンクンとしてみると。
「うぷっっ」
以前、抜栓したボトルを鮮明に思い出させる特徴的な香り。
なんと表現すればよいのか。自分の中では、鰹節に近いイメージ。少し生々しい匂いなのである。
前のボトルもまったく同じインパクトがあったことを鮮明に記憶しているので、ボトルバリエーションというものでもないだろうし、この個性はどう表現すべきか。
樽の内側を少しローストしすぎたのかなぁ、という気もしないでもないが、もしかすると、一種の還元臭のようなものかも知れない。いずれにせよ、そんなに心地よいものではない。
事実、しばらく空気に曝しておくと、生々しい匂いはスッと消え、ピノノアールらしさが前面に現れる。
ラズベリーにスミレ、軽くカカオのニュアンス。
ごく自然なピノの匂い。
口に含むと、まぁまぁ存在感はあるけれど軟らかいタンニンと、結構はっきりした酸が印象的。
フィニッシュは長め。
既に熟成のピークを迎えつつあるような感じがする。
September 02 Cloudy Bay, Pinot Noir 2005新たなプロジェクトのassignがあった。
重厚長大産業系。
あまり経験のある分野ではない。期待とともに一抹の不安。
望む、望まざるに関わらず、新しい仕事に携わることは、本質的にはエキサイティングなものであるハズ。
まぁ、手許にある裁量・自由度が大きくないのは、仕方がないか。
記念すべき?旅立ちを祝うのはまた別の機会にするとして、一人、健闘を祈って、抜栓。
ほんとは、「祈って」ではなく「誓って」であるべきかも知れないけど。
クラウディ・ベイ。ピノノアール、2005年モノ。
NZのメジャーな作り手。
質と値段で、大変リーズナブルなワインを提供してくれる。
グラスに注いだワインは、深く透き通った見事なワインレッド色。
が、抜栓直後、香りが殆ど感じられず、一瞬???となる。ピノの香りがしない……
口に含むと、思わず「堅たい!」
スタイリッシュな感じはするのだけれど、如何せん、まだ早かったかも。
結局、抜栓してから、2時間少々放置するハメになる。
その2時間後。そのワインはハッとするような変化を遂げていた。
おおぶりのグラスの縁からは、ラズベリーとブラックチェリー、バラの艶かしい芳醇なアロマが溢れ出て、堅さも少し落ち着いて、まろやかさとシャープさが絶妙な色彩を構成している。
ミネラル感があり、結構酸味もはっきりしていて、存在感のあるタンニンとのバランスをとっている感じ。
ただ、ガツンとか、コッテリとか、ニューワールドにありがちな、ドップリしたワインではなく、あくまでフィネスを追及した、上品な味わいが印象的。
フィニッシュは長く、舌に残るミネラル感がなんとも心地よい。
ふと、前のプロジェクトが動き始めたころ、シンガポールのとあるレストランで飲んだクラウディ・ベイを思い出した。
そういえば、太平洋から冷たい霧と低く垂れ込めた雲が流れ込むサンフランシスコ湾もクラウディ・ベイの名にふさわしい。
もう10年も昔になろうか、ゴールデンゲートブリッジから流れ込み、水面すれすれを雲が滑っていく幻想的な景色をイーストベイの桟橋で時間の許す限り眺めていたことを思い出した。
若き日の思い出。
August 20 L'AVION 2004, Stolpman Vineyardsとうとう、3年間携わったプロジェクトから卒業することとなりました。
そのプロジェクトそのものはゴーイングコンサーンであり、将来にわたって引き継がれていくものですが、とりあえず、立ち上げから軌道に乗せるまでのお役は御免となりました。
少々無理したこともあったし、やり残したこともない訳ではないけれど、とりあえず一区切りです。
自分自身に対して、お疲れ様。残ったスタッフに対して、Good luck.
共に流した汗と涙の尊さをしみじみ噛締める。
卒業を祝って抜栓たボトルは、L'avion 2004年。
カリフォルニアはサンタバーバラ近郊のサンタ・イネツ・バレーにあるストルプマンヴィンヤードのボトル。
以前は、ブドウ生産者として近隣の有力ワイナリーにブドウの提供をしていたところ、2000年頃から自社レーベルでワインを生産。
セパージュはルーサンヌ主体。ローヌ地方で細々と栽培されているマイナー品種だとか。
ルーサンヌを飲んだのは初めてだと思う。
グレープフルーツとレモンの香り。ソービニオン・ブランよりも刺激が少なく軟らかい感じがする。
蜂蜜の甘い香りと、マロラクティック発酵由来のバターのニュアンスが少し強いか。
新樽を使っているのか、樽香も強め。
シトラスのさわやかな香りが前面にありながら、うっとりする芳醇でセクシーな香り。
口に含めば、存在感のあるコク。残糖ではなく、甘みを感じさせる。
一方で、比較的シャープな酸味が全体を巧くバランスしている感じ。
フィニッシュは長く、しばらくの間、口の中を漂い続ける。
伊達にパーカーさんが95点をつけたボトルというわけではないか。
ボトル名の”L'Avion”の由来。今のブドウ栽培農地の一部が第二次世界大戦前に飛行場として使われていたからだとか。
エチケットは、滑走路、しかも飛行機が着陸しようとしている瞬間に見える滑走路の明かりがモチーフ。
次のプロジェクトが本格的に動き出すまでの、つかの間の息抜き。とういか脱力(笑
March 10 Newton Chardonnay 2004, Redlabelようやく仕事が峠を越えて、、、、と思うのも束の間。
次から次へと明らかになる機密漏洩とそのフォローアップ。
押し寄せるクレームに、不安そうなクライアント。
とうとう、マスコミで取り上げられちゃったりして、まぁ、正直、やってらんねー、という気分。
いやはや。
こういうときには、やっぱり、基本に戻るに限る。
ニュートンのシャルドネ、レッドラベル。
何と言うか。
身も心も、何も気張ったり、着飾ったりする必要なしに、素直に安心して嗜める一杯。
アルコール度数の高い麦わら色の液体。
洋ナシに青りんごの力強いフルーティーな香り。マロラクティック発酵の芳香。
しっかりとした酸味に、複雑味のある、コクのある味わい。
廉価版でも手を抜かない、作り手の情熱の結晶。
なんて言ったら、言いすぎかな。
怒涛のような一日を振り返る一瞬。
また明日。頑張ろう。(週末だけど)
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